日本航空とアメリカン航空4月1日より共同事業開始
日本航空とアメリカン航空は昨年のオープンスカイ協定をかんがみ、4月1日より共同事業開始を決定。
昨日以下のような内容の報道発表がありました。
ずいぶんと多様な内容となっているので、
ここでは発表要旨を、出来るだけ簡潔にまとめてみました。
(結論から言うと、日本航空再生の一環として太平洋路線をアメリカン航空へ委託する準備の第一歩ではないかと思えます)
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日本航空とアメリカン航空は、
2011年4月1日から共同事業を開始することを決定。
まず3月27日から共同事業対象路線のスケジュールを順次変更、乗り継ぎ便の接続をよくする。
そして運賃の共通化により顧客の選択肢を拡大。
2~3月の春の旅行用に日本発の共通運賃「JAL/AAエコノミースペシャル運賃」を独占禁止法の適用除外(ATI)認可のもとで設定。
ワンワールド・アライアンスメンバーとの提携関係も強化。
と以上のような要旨です。
以下詳細について、
1. 共同事業の対象路線について
JALとAAの共同事業はアジアと北米間の全直行便を対象としており、
夏ダイヤ(2011年3月27日~)における共同事業の対象路線は以下10路線。
JALとAAは両社の太平洋線に接続する北米域内、アジア域内の路線も共同事業の対象。
(1)太平洋路線
運航会社
路線
JAL
成田=ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、バンクーバー
羽田=サンフランシスコ線
AA
成田=ダラス・フォートワース、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、
羽田=ニューヨーク線、北京=シカゴ(*)、上海=シカゴ、ロサンゼルス
運航会社
路線
JAL
上記に接続するアジア路線、日本国内全路線
AA
上記に接続するカナダ、メキシコ、プエルトリコ、USヴァージン諸島、
米国内全路線
2. 共同事業の内容
(1) 便利なスケジュール、運賃、サービス
①スケジュールが便利に!ネットワークも広がります
②シカゴ経由が便利に
両社はシカゴ空港を共同事業における重要な乗り継ぎ地点と位置付け、
3月27日よりJALシカゴ出発便の利用ターミナルを変更。
③運賃もさらに充実!
両社の共同事業においては対象路線における運賃を調整、共通化した運賃の提供と運賃の共同企画を開始。
運賃の相互の組み合わせにより、これまでは一部の運賃でしか利用不可能だった旅程や便でも割引運賃を利用可能。
JAL/AAエコノミースペシャル運賃」運賃例
行き先 燃油サーチャージ込み運賃(東京発往復)
ロサンゼルス/サンフランシスコ: 69,000円(燃油サーチャージ21,000円込み)
シカゴ/ニューヨーク:77,000円 (燃油サーチャージ21,000円込み)
ダラス・フォートワース:89,400円 (燃油サーチャージ21,000円、DFW空港チャージ込み)
東京以外の日本国内都市発の場合、上記金額に往復でプラス10,000円
販売期間:2011年1月11日~2011年3月17日
適用期間:2011年2月 1日~2011年3月31日出発分
購入期限や予約変更時の取り扱いなどの詳細は両社のホームページを参照。
http://www.jal.co.jp/common_fare/
http://www.aa.com/PJBfares
記載の料金には米国内での搭乗1回ごとに課せられる210円(2.50ドル)の保安サービス料(September 11th Security Fee)、
1往復ごとに最大1,500円(18.00ドル)課せられる米国内空港利用料、
および国際線に最大15,000円(180.00ドル)課せられるその他米国および米国外での税金および手数料(旅程によって異なる)は含まれず。
燃油サーチャージ往復21,000円が含まれるが4,590円の税金は含まれず。
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④マイレージでも共同プロモーション
両社は既存のマイレージ相互積算や特典航空券への相互交換に加え、
両社で共同事業対象路線におけるマイレージプログラムの内容を検討することができるようになる。
⑤WEB予約やWEBチェックインも便利に!
両社はホームページの機能も見直し、夏頃までに、WEB予約やWEBチェックインをどちらのホームページでも利用出来るよう機能改修。
また予約や空港での手続き、手荷物の取り扱いなども見直し、可能な限り統一。
⑥サービスや文化も学び、より良いサービスを提供
(2)営業力の強化と効率的な体制の構築により、競争力を強化!
4月1日より開始する共同事業においてはJALとAAがどちらの便を販売しても自社の収入に直結する仕組みで、双方の営業力が強化。
また効率的な運営体制を構築や施設の集約により、競争力を強化。
①共同営業を開始!
両社は共同で太平洋路線の営業活動を行い、旅行会社や法人のお客さまにより多くの選択肢を提案。
またJALは北米以遠のAA便も販売し、AAは日本以遠のJAL便も販売することで、営業力を強化。
②WEB販売や共同営業で双方の営業力を強化
③両社のプレミアム商品により営業力を強化
JALプレミアムエコノミーをAAの客にも提供予定。
ファーストクラス、ビジネス利用を中心とする客の選好性を高め営業力を強化。
④施設の集約により効率性も向上
双方のチェックインカウンター業務の受委託、事務所移転、空港ラウンジの共有など施設の集約。
またAA日本支社のJAL本社入居ビルへの移転、JALニューヨーク支店のAAニューヨーク支店入居ビルへの移転。
⑤経営に係るノウハウを共有
JALとAAは共同事業に加え、経営とオペレーションに係わるノウハウの共有を開始。
例えばJALは、AAのノウハウをベースとする「財務シミュレーションシステム」を独自開発。
この他に「整備」、「IT」などの分野でもノウハウの共有。
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ね?読めば読むほどアメリカン航空との合併のように思えてくるでしょ?
上記の運賃で、ジェット燃料込みで表示してあるのでピンとこないですが、
これをはずしてみると、
ロサンゼルス/サンフランシスコ: 48,000円(燃油サーチャージ別)
シカゴ/ニューヨーク:56,000円 (燃油サーチャージ別)
ダラス・フォートワース:68,400円 (燃油サーチャージ別、DFW空港チャージ込み)
こんな安い米国路線は運賃はいままでJALであったでしょうかね。
アメリカまで5万円を切る値段で発売とは・・・、
次は、英国航空、カンタス航空との共同事業でしょうか?
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